人にはそれぞれお金の器がある。心の器を大きくすることがお金の器を大きくすること。
【質問1】誰かに「お金あげるよ」と言われたら、あなたは受け取りますか?
【質問2】また、受け取るとしたらどの位の金額が受け取れますか?
「よく訳がわからないお金は受け取れません」という方もいれば、「いくらでも際限なく受け取ります」という方もいるかも知れませんね。
「お金あげるよ」と言われた場面を想像した時の、ご自身の心の動きを客観的に観察してみて下さい。それがあなたの「お金の器」です。
お金はお金
再び質問です。
【質問3】「お金あげるよ」と言った人は誰ですか?その人から受け取れますか?
あなたの家族ですか?あなたの友人ですか?あなたが勤務してる会社の社長さん?あなたの親しい人、知っている人ですか?
それとも、全然知らない通りすがりの人ですか?近所の顔見知りの人ですか?それとも家のポストに入っていたとか?
この一連の質問、実はあなたが無意識にお金の選別をしていないかどうかが分かる質問です。
私たちは「お金」という存在に対して勝手に意味付けしていることが多々あります。お金に対する勝手なイメージ、もう少し突っ込んで言うとお金に対する善悪のジャッジです。
労働で得たお金は良いお金、相続で手に入ったお金は棚ボタなお金、ギャンブルで手にしたお金は汚れたお金、犯罪で手にしたお金は悪いお金、出処がわからないお金はあやしいお金、など。善いお金なら受け取るけど、悪い類は受け取らないという線引きを勝手にしてしまうことがあります。お金に善悪のイメージを持っていると、お金を受け取ることに抵抗が生まれます。
「お金持ちは何か悪いことをしているに違いない」
「大金を手にするとろくな目に会わない」
幼い頃に周囲からのすり込みで「お金=悪」というブロックがある人もいます。
「あの人働いてないのに高級ブランドバッグをたくさん持っててズルい、なんかモヤモヤする」
というように、自分が持っていないものを持っている人への「羨ましさ」「嫉妬」を感じることもあります。
お金の善悪のジャッジ、受け取り方のジャッジをするのは、そもそも自分にそれらを許していないということです。潜在的な先入観です。
「お金」はあくまでも「お金」です。お金の稼ぎ方、受け取り方に善も悪もありません。そもそもお金そのものに善も悪もないのです。勝手に意味付けして受け取りを拒んでいるのは私たち自身です。
潜在的な先入観に気がつき、一旦その色眼鏡をはずしてお金そのものを見てみることです。
「お金あげるよ」と言われて「心がモヤモヤする」のは抵抗です。心の抵抗を感じることなく受け取れる自分になりたいですね。受け取ることも循環のひとつです。
受け取りの許容
再び質問です。
【質問4】「お金はお金」とフラットに捉えた上で、あなたはいくらなら受け取れますか?
1万円?10万円?100万円?1,000万円?もっとたくさん??
次は目を閉じて自分の胸に手を当て、心や身体の変化を観察しつつ同じ質問をご自身にしてみて下さい。
私はいくらなら受け取れる?1万円、10万円、100万円、1,000万円…
どこかで何かしらの変化がありませんでしたか?
胸がザワついたり、胃がきゅっとなったりしませんでしたか?
そこが、あなたの受け取りの上限値です。
そしてここまでの質問の答えが、あなたのお金の受け取りの許容範囲=いまのあなたのお金の器です。
・「お金はお金」とフラットに捉えることができているかどうか
・受け取りの抵抗がない金額=お金の器の大きさ
ということです。
宝くじで一攫千金、何億円という大金を突然手にした人の多くがその後破産してしまう、という話はよく耳にしますがその一因はここにあります。自分では「いくらでも受け取れる」と思っていても、無意識の領域ではそんな大金は受け取れなかった、そもそも大金を受け取れる器を持ち合わせていなかった、ということです。
一時的に大金を手に入れることが出来たとしても、お金の器の大きさがそれに伴っていなければ、手に入れたお金は器からはみ出したりこぼれ落ちたりして、手元から離れていきます。自分の器がどのぐらいの許容があるのかを知り、またそれを大きくしていくことも大切です。
与えるからめぐって来る
ではどうやってお金の器を広げるか。方法は複数あります。
お金の器の中心軸は「自分」です。
大前提として、まずは自分を満たすためにお金を使うことが大切です。自分を満たす以前に自分以外の人のためにお金を使っても変化はありません。自己犠牲の上では成り立たないのです。
自分の感情を満たすことです。感情を満たすことなしに、お金を使っても変化はありません。
このワンピース着たらどんな気持ちになるかな、これを着てどこにお出掛けしようか。
今日はホテルのラウンジでお茶しよう。ゆっくりくつろいで自分を癒してあげよう、などワクワクしたりねぎらったり、自分の心地良さを満たすために使いましょう。
そして自分の許容範囲の3倍以上の金額が抵抗なく出せるようになると、お金の器は大きくなります。
例えば、バックを購入するのに「大体30,000円位までなら出せるかな」と考えているのなら、90,000円出しましょう。これは「自己投資」です。自分に自信がつき、身に着けた時に気持ちが変わります。すると雰囲気が変わります。豊かな気持ちになります。自分への投資であり、「豊かさ」への投資でもあります。自分にお金を使うことで「自分がその金額に見合う」感覚が潜在意識の中に作られます。「抵抗なく」というのがポイントです。「無くなっちゃう」とか「減っちゃう」では逆効果です。自己犠牲の上では成り立たないのです。ここでも満足感や幸福感、豊かさを感じることです。
3つ目は「与える」ことです。与えるとは自分以外に行っているようで実は自分にも与えているんです。
例えば「今日は家族にケーキを買って帰ろう」とする行動の側面に「家族が笑顔になるのを見たい自分を満たす」ことがあれば、家族に与え自分にも与えています。
お金だけを使うことだけに限らず、気持ちを伝えることやサービスやおもてなしの心を提供する、というのも同じです。誰かのためにお金を使ったり、何かをすることでその誰かが笑顔になったりしあわせになる。相手を想ったお金の使い方、相手の喜びに焦点をあてたことができると、自ずと自分の感情も満たされます。
与えることは貰うこと。与えればまたそれが形を変えて自分にめぐって来ます。その積み重ねです。自分が誰かのために何ができるかを考えて行動することが、結局は自分の器を大きくすることに繋がります。見返りを期待せず、ただ与える。それが自分の喜びでもあるから。人としての心の器を大きくすることがお金の器を大きくすることに繋がっています。